群馬の磐座


赤城神社あかぎじんじゃ
群馬県前橋市三夜沢町114


■「赤城石神」とよばれた櫃石

赤城神社は神体の赤城山を背にし、南麓の三夜沢 に鎮座する。上毛三山の一つとして知られる が、赤城山という山があるわけではなく、黒檜山 (1828メートル)を主峰として、駒ケ岳、荒山 などからなる外輪山を称して赤城山とよんでいる。
 山上には、火口湖の大沼 ・小沼のが存在し、かたわ らに中央火口丘の地蔵岳(1674メートル)が そびえている。最高峰の黒檜山は、雷雲のおこる 峰であり、大沼・小沼は水源の神とされた。こう した水神にちなむ信仰が、赤城神社の始まりであ ったと思われる。
(『磐座百選』から一部抜粋)





榛名神社はるなじんじゃ
群馬県高崎市榛名山町甲849


■岩窟に本殿を組み込まれた御姿岩

榛名神社の本殿は、神体石である御姿岩窟に組み込 まれ、岩窟内に内陣がおかれている。 本殿に接続して幣殿・間殿・拝殿が連なる権現造 りで、建物全体にみごとな彫刻が施されている。 かつては拝殿のみで本殿がなく、直接、御姿岩を 拝したというが、内陣がある洞窟の深さはわから ないとされ「ご神体は三重の鉄の扉の奥にある」 と伝わる。御姿岩とよばれるとおり人が立っている ようにも見えるし、巨大な男根にも見えてくる。 よく見ると人の首にあたる部分に御幣が立てられて いる。首の部分まで八〇メートルほどだという。
 春の大祭に先立つ五月一日早朝に、「御嶽祭」 という神事が行われる。御姿岩の御幣を立て替え る神事で、神職のみで行われる「秘儀」という。 そのため、残された記録はほとんどないが1942年に、 社司・一宮昌輔が提出した「特殊神事報告書」が、 群馬県教育委員会の『榛名神社調査報告書』に収録 されている。
(『磐座百選』より一部抜粋)





妙義神社みょうぎじんじゃ
群馬県富岡市妙義町妙義6


■ハコソ神の降臨を願い、祈った影向岩

初めて「のこぎり」のような妙義山を眺めたと き、奇峰がつらなる山容が信仰の始まりだったの ではないか、というのが第一印象だった。遠くか らでも「それ」とわかる山容をしているからだ。 ただ、妙義という山があるのではなく、白雲山・ 金洞山・金鶏山の三山を称して妙義山とよんでい る。 上毛三山 の一つとして知られるが、古代、 妙義という地名や神社名は見当たらず、「神名 帳」にも載っていない。妙義の神が文献に登場す るのは中世後期からだという。それまでは「波己曾 の神」とよばれていた地主神だった。
 ハコソ(波己曾)は、イワコソ(岩社)の意と され、奇峰であり、岩山でもある白雲山を神と崇 め、岩の神・イワコソを祭祀したのが妙義信仰の 始まりと伝わる。
(『磐座百選』より一部抜粋)





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